意外と知らない!相続不動産に潜む「隠れた負担」と賢い解決策

お役立ち情報

「実家を相続したけど、固定資産税を払い続けるのは大変…」
「誰も住まないのに、管理に手間と費用がかかる…」

こんなふうに感じている方もいらっしゃるかもしれません。

実は、相続した不動産には、目に見えやすい税金や管理費だけでなく、将来的に大きな負担となり得る「隠れた負担」が潜んでいることがあります。

今回は、相続不動産に潜む「隠れた負担」とは何か、そしてそれを賢く解決するための方法について分かりやすくお伝えします。

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その相続不動産、もしかして「負動産」予備軍?

「負動産」という言葉をご存じでしょうか?

これは、所有しているだけで税金や管理費がかかり、さらに将来的な売却も難しいなど、経済的な負担や心理的なストレスとなる不動産を指します。

相続した不動産が、この「負動産」になってしまうケースは少なくありません。特に、以下のような状況の不動産は注意が必要です。

• 地方や郊外にあり、買い手が見つかりにくい
• 築年数が古く、大規模な修繕が必要
• 共有名義になっていて、意見がまとまりにくい
• 物理的に管理が難しい(遠方にある、草木が生い茂っているなど)

これらの不動産には、表面的な維持費以外に、さらに深い「隠れた負担」が潜んでいることがあります。

見過ごしがちな「隠れた負担」3つのポイント

相続不動産が「負動産」化する原因となる「隠れた負担」は、主に以下の3つです。

1.増え続ける「維持コスト」の負担

固定資産税や都市計画税は、不動産を所有している限り毎年課税されます。
さらに、火災保険料、修繕積立金(マンションの場合)、そして水道光熱費の基本料金など、住んでいなくても発生する維持コストがあります。

特に、老朽化が進むと、突然の雨漏りや設備の故障などで、高額な修繕費が発生することも。これらの費用は、積もり積もって家計を圧迫する大きな負担となります。

2.「管理責任」という心理的・時間的負担

誰も住まない不動産でも、所有者には適切な管理を行う「管理責任」が伴います。

• 定期的な換気や通水、清掃
• 庭木の剪定や雑草の除去
• 台風や大雪の後の点検

これらを怠ると、建物の劣化が進むだけでなく、近隣住民とのトラブル(越境した庭木、不審者の侵入など)に発展するリスクも。遠方に住んでいる方にとっては、時間や交通費も大きな負担となるでしょう。

自治体によっては、管理が不十分な空き家に対し、指導や命令を行い、改善が見られない場合は「特定空き家」に指定し、固定資産税の優遇措置を解除したり、罰則を科したりすることもあります。

3.「共有名義」による将来的な「身動きの取れなさ」

遺産分割協議で、不動産を複数人の相続人(兄弟など)で「共有名義」にした場合、これも将来の大きな負担となる可能性があります。

• 売却や大規模修繕には共有者全員の同意が原則必要
• 共有者の誰かに相続が発生すると、さらに所有者が増え、関係性が複雑に
• 自分の持ち分だけを売却しようとしても、買い手が見つかりにくい

当初は問題なくても、数年後、数十年後に状況が変わり、不動産を売却したくてもできない、リフォームしたいのに意見がまとまらない、といった「身動きが取れない」状態に陥ることが少なくありません。

隠れた負担を解消する!3つの賢い解決策

これらの「隠れた負担」を放置すると、ますます状況は悪化し、解決が難しくなります。大切な不動産を「負動産」にしないために、早めの行動が重要です。

解決策1:早めに「売却」を検討する

最もシンプルな解決策は、不動産を売却して現金化することです。維持コストや管理の手間から解放され、相続人全員で売却代金を公平に分け合うことができます。

ポイント

税制優遇の活用
相続した居住用不動産を売却する場合、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの3,000万円特別控除」が適用される可能性があります。

これは、一定の要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。(2025年6月時点でも適用される特例です。適用には期限や細かい要件があるため、税理士にご確認ください。)

専門家への相談
不動産の査定から売却手続きまで、信頼できる不動産会社や税理士に相談することで、スムーズに進められます。

解決策2:「共有名義」を解消し、単独所有にする

もし現在共有名義になっている、あるいはこれから遺産分割で共有名義になりそうな場合は、単独所有への移行を検討しましょう。

代表的な方法

代償分割
不動産を相続人の一人が単独で取得し、その代償として他の相続人に金銭を支払う方法です。

換価分割
不動産を売却し、その売却代金を相続人で分け合う方法です。

ポイント

遺産分割協議の段階でこの方法を選択すれば、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。専門家(司法書士や弁護士)に相談し、最適な分割方法を検討しましょう。

解決策3:国の制度やサービスを賢く利用する

どうしても売却や活用が難しい不動産については、国の制度や民間のサービスを検討するのも一つの手です。

相続土地国庫帰属制度
2023年4月に始まった新しい制度で、相続した不要な土地を国に引き取ってもらうことができる制度です。ただし、建物がある場合は解体して更地にする必要があるなど、要件は厳しく、費用もかかります。(2025年6月時点でも本制度は運用されています。)

空き家管理サービス
遠方に住んでいて管理が難しい場合、専門業者に管理を委託するサービスです。費用はかかりますが、手間と心理的負担を軽減できます。

自治体の空き家バンクなど
自治体によっては、空き家の情報を公開し、利用希望者とのマッチングを支援する制度があります。

一人で悩まず、早めに専門家へご相談を

相続不動産に関する「隠れた負担」は、個々の状況によって多岐にわたります。そのまま放置してしまうと、後になって取り返しのつかない事態になることもあります。

当相談センターでは、相続不動産に関する様々なお悩みを無料で受け付けております。弁護士、司法書士、税理士といった専門家と連携し、皆様の状況に合わせた最適な解決策をご提案させていただきます。

「この不動産、どうすればいいんだろう?」
「どこに相談すればいいか分からない」

そんな時こそ、私たちにご連絡ください。
あなたの不安を安心に変えるお手伝いをさせていただきます。

【注記】
本記事の内容は2025年6月時点の法令に基づいて執筆されていますが、法改正等により内容が変更される可能性があります。また、個別のケースについては専門家にご相談ください。

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